結婚式での女性の和装について
着物のマナーについて
和の礼装では、洋装のように昼と夜の違いはなく、着る人が未婚か既婚かによって異なります。
未婚女性の正礼装は振袖です。成人式のときにつくっていれば、それを着るとよいでしょう。振袖でなければ訪問着にします。既婚女性の場合は、正礼装は留袖です。
招待客なら、洋装と同じく準礼装、略礼装で。未・既婚を問わず訪問着、色無地、付け下げでもよいでしょう。
和装の場合、着物の柄や紋の有無によっても格が違ってきます。訪問着を準礼装として着るなら、格調の高い古典柄のものを。また、着物に紋をつけると格が上がり、色無地なども準礼装として着られます。
色や柄のマナーについて
訪問着や色無地、付け下げとひと口にいっても、色や柄はさまざま。いずれも晴れの席にふさわしい格調高い柄、華やかな色が、結婚を祝福する気持ちをあらわします。
若い未婚女性なら「華やかな色柄」を、既婚者なら「落ち着いた上品なもの」にするとよいでしょう。
帯や小物のマナーについて
帯はもちろん、「帯締め」や「帯揚げ」などの小物も、着物と格や色身を合わせて選びます。バッグを持つなら、ぞうりと合わせた布製の小さなものを。
本来は、髪飾り以外のアクセサリーは着けないものですが、最近は目立たないピアスや腕時計ははずさないことが多いようです。ただし、ゴールドなどの時計やネックレス、ブレスレットなどは着物に合わないので避けましょう。
作法について
和装のとき、いつものパンツスタイルのように動こうとすると前のめりになったり動作がぎこちなくなったりするので要注意。ふだんより歩幅は狭めで内またにすると歩き方がきれいに見えます。また、姿勢に注意して背すじを伸ばし、あごを上げないこと。
乾杯でグラスを掲げるときや食事のとき、拍手をするときなど手を動かす場合は、腕がむき出しにならないように袖口を押さえます。階段の上り下りでは、足をあらわにしないように。
これらはいずれも上品な所作からはほど遠く、和服が映えません。着くずれの原因にもなるため、注意が必要です。
和装のマナーについて
☆女性一般招待客の和装の準礼装・「未婚」と「既婚」について
訪問着(古典柄の一つ紋か三つ紋):身ごろからそでにかけて染めやししゅうなど、ひと続きの模様のある着物
ポイント:つづれ織、西陣織などの袋帯
ポイント:エナメルにパールや布張りの加工を施した重ねぞうり
ポイント:必ず扇子を持つ
ポイント:足袋は白色
ポイント:えり足のスッキリした髪型にする
☆女性一般招待客の和装の略礼装・「未婚」と「既婚」について
色無地(一つ紋または紋なし):一色に染められた無地の着物
付け下げ(一つ紋または紋なし):訪問着のように模様につながりはないが、肩山、そで山に向かって柄がすべて上向きのもの
ポイント:つづれ織、西陣織などの袋帯
ポイント:エナメルにパールや布張りの加工を施した重ねぞうり
ポイント:必ず扇子を持つ
ポイント:足袋は白色
ポイント:えり足のスッキリした髪型にする
☆女性親族の服装:和装について
若い既婚者なら「色留袖」か「訪問着」にします。
未婚者なら「振袖」「訪問着」にします。
ニ次会の服装について
特に決まりはありませんが、おめでたい席ですから華やかな服装を心がけたいものです。
女性ならワンピースやスーツに、多くの場合、夜のパーティですから、昼の披露宴と違って、アクセサリーや靴、バッグを光る素材にしたり、ストールやスカーフ、コサージュなどを使ったりして、ゴージャスに装いましょう。
ただし、女性の場合は花嫁の色である「白」は避けます。
披露宴から引き続いて参加する場合は、二次会の雰囲気によって決まります。
新婦がウェディングドレスやお色直しのドレスで出席する場合は、特に着替える必要はないでしょう。
特にカジュアル度が高く、招待状に「平服で」とある場合は着替えた方がよいでしょう。
「冠婚葬祭とおつきあい」より
「冠婚葬祭マナーの便利帖」より